ほりすてぃっくうぃずだむ

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京アニの例のあれのお話し。2

前回のエントリの最後で「日常についてもいずれ書きたい」なんて言ったら、ちょうど?キャンセルが出ていたので、押さえさせていただいちゃいました。
この手の企画で2回以上エントリするの、個人的にはあんまりやらないのですけど、まあ開きに気づいたのが火曜日なんで、勝手にピンチヒッターを買って出るつもりで書くことにしました。

というわけで「京アニの例のあれ」こと「日常」です。
これはねー……個人的にはひっじょーーーーーーに好きな作品でしてねえ……。ただ、評価としてはそうとうアゲインストだったと言わざるを得ません*1

この作品の何が良いか、というと、まず「ギャグアニメ」であるということです*2。ちょっとしたギャグから、シュール、ストレート、掛け合いまで、結構幅広くいろいろと笑わせてくれます。(後述しますけど)当初「萌え日常系」を期待されていたのだろう日常ですが、そういう作品とはまた違った意味で、難しいことを考えずに観られる作品として、非常にお勧めです。
そして、やっぱりキャラが魅力的です。「駄美声」で一世を風靡した(と勝手に主張している)ちゃんみお*3こと長野原みおを筆頭*4に、キャラ造形が本当に全員魅力的*5です。登場人物は、こういった作品としては多い方だと思いますが、キャラ間の関係などもかなり整理されていますし、全員がそのキャラクターなりに魅力的です。そのぶんキャスティングされた声優数も多いのですが、それも全員がしっかりマッチしていますし、その意味でもレベル高いです。
また、絶対に外すことができない要素としては、もちろん京都アニメーションの描写力よ、というところでしょう。シュールなギャグから力技に至るまで、表現力が圧倒的*6です。

このアニメが思ったより広く受け入れられなかったのは、「間口が(期待している人の数や種類に対して)狭すぎた」ことと、「販売戦略」にあるように感じています。
「日常」は「キャラの姿かたちこそ萌え系に見えます」が、「本質的にはギャグアニメ」です。「日常」というタイトルや、その直前まで京都アニメーションが制作していたアニメが「けいおん!!」だったこともあるのでしょうが、「ストレートな萌え系アニメ」というニーズとはとにかくミスマッチした感が否めません。また、序盤の数話は、割とはっちゃけたわかりやすいギャグが控えめだったり、特徴的なアイキャッチが入ったり、またシリーズ構成上の方針として「主となるキャラクターと舞台を2分割しオムニバスとする*7」方式だったりと、少しとっつきづらい感もありました。
さらに、現在では「ヒャダイン」といえば押しも押されぬ、という人気がありますが、当時はニコニコ動画の一投稿者であった氏をメジャーデビューさせた*8のもこの作品ですが、これもまた「メインキャラクターが担当する、わかりやすいアニソンOP」という定石からは外れ、「そういったストレート感のなさ」も間口をやや狭めたように思います*9。 期待されているものと提供されたものがあまりにも違いすぎたために支持されなかったのではないか、というように思います。作品そのものの質は非常に高いと思いますし、「ギャグアニメやぞ!」ということをしっかり押したうえでなら、推せるアニメであったのに、と今でも思います。
もう一点の「販売戦略」については……。実のところ今でもあまり良く思っていない要素が多いので、語る気にはなれないところではあります。ただ、この時期の角川アニメは割と強気の戦略を取っていて、そもそもがあまりいい顔をされていなかったように記憶しています。とにかくソフトの価格設定が強気だったこと、特典要素が求められたことと違ったこと*10などがポイントでしょうか。「第1巻の特典カルタの「か」について」は、今でもちょっとどうかと思いますしね*11

個人的に「2期が来るまで死ねない」アニメというのがいくつかありまして、「日常」もその一つです。アニメ放送終了時、まだ原作は続いていまして、とはいえ現時点ではもう終了している*12のですけども、その「アニメ化されていない」部分に山ほどネタが詰まっているというのがありまして…。
萌えアニメ」ではなく「ギャグアニメ」ですから、自分のようにとにかくハマってしまえば楽しめます*13。AbemaTVでなら、プレミアムになってさえいればいつでも視聴可能です。

なんとなくケラケラ笑いたいときに、いかがでしょうか。

*1:作品への風当たり強すぎて、いくつかのジャンルの人たちが嫌いになるくらいのレベルでしたねえ。二度と某まとめサイトを見ないと心に決めた作品でもあります。

*2:そして、これが受け入れられなかった理由なのでしょうね。

*3:アイドルじゃないよ!

*4:誰が何と言おうとちゃんみお筆頭です。

*5:見た目だけとかではなく、キャラクターとして全体的に魅力的ですよ、ホント。

*6:第2話「日常の7」(そのノート千円で買った)や第17話「(多分)日常の70」(トランプタワー)は必見だと思います。

*7:「時定高校」編と「東雲研究所」編に大別されます。それによってメインキャラクターが3人ずつで半割されたような形になっていました。この形式は後半良い形で効果を及ぼすのですが、前半は「ただ単に話がぶつ切られる」ように感じるかも知れない、というのは否定できません。

*8:もっとも、前山田健一としてはいろいろ活動されていましたけども。

*9:補足しますが、出来はOPもEDもかなり高いです。前期EDである佐咲紗花さんの「ZZZ」は映像と合わせて素晴らしい出来ですし、後期EDの声優による合唱曲も同様です(ED映像からつながるジャケットは初見で泣きましたね)。ヒャダイン氏はキャラソンも含め多くの曲を提供していますが、どれも良い出来です。特に「日常のキャラクターソング その9 ラスト5パーソン」収録の「安中のぴょん!ぴょん!エー!!」の完成度は異常だと思います。

*10:らき☆すた後期のノリをより先鋭化させたもの、というのがちょうど良いでしょうか。同時期に展開された他作品としては「らっきー☆れーさー」などがあります。…推して知るべし。

*11:「買って満足角川商品」。そりゃないぜ角川さ~ん…って本気で思いました。

*12:上に既に続編とでも呼ぶのか、ともかく地続きの作品である「CITY」という作品が連載中でさえあります。

*13:そうでなければごめんなさい。